BAD & BAD【Ⅱ】





たかやんと弘也を見比べてみる。


声質、背丈はともかく、知らぬ間に無造作に整えられた髪型、ピアスの数まで……おんなじところが増えている。



パッと見て違うとはっきりわかるのは、髪色と目の色くらいだ。



「たかやん、おっはよーん!」

「はよ」




茶色の髪とライトブラウンの瞳のたかやんと、みかん色の髪と栗色の瞳の弘也が、先に下駄箱を離れて廊下を歩き出す。



慌てて、私と剛も2人を追いかけた。


おいてかないでよ。つれないなぁ。




後ろから、2人の背中をぼんやり見据える。



「……たくさんのおそろいを繕って、何を考えてるんだか」



だるい独白を、唇に這わせて。

不敵に、口元を緩める。



髪型だけじゃ物足りなくなった弘也が、あらゆる箇所を揃えたのかな。それに付き合ってあげてるたかやんも、たかやんだね。


弘也ってたかやんのこと、そんなに好きだったんだ。知らなかった。双子愛、恐るべし。



「2人を凝視して、どうかしたのか?」


「べっつにー」