BAD & BAD【Ⅱ】





「幸珀、間違えたのか?ははっ、弘也かわいそ」


「剛をしょぼいサボテンと間違えたことしかないんだけどなぁ」


「んだとこら」



癇に障る笑い声と共に横から会話に入ってきた剛に、遠回しに誹謗する。


間違えちゃったんだからしょうがないじゃん。笑うな、やかましい。



わざとじゃないだけ許してよ。

たかやんと弘也の声質が、似すぎなんだ。




「間違えてごっめーん」


「謝る気ある?」


「ない」


「ないんかい」




弘也は困ったように苦笑した。



そういえば、たかやんはどこにいるんだろう。


2人と一緒じゃないのかな。




「朝っぱらから騒がしいな」

「あ、いた」



たかやんはすぐ近くで、靴箱から取り出した上履きを履いていた。


なんだ、そこにいたんだ。いつもより影薄かったね。探したよ。