善兄の好き好き光線が、グサグサ突き刺さる。

息が、苦しい。



「僕なら、絶対に幸珀を不自由させないし、誰よりも幸せにしてあげられる。だから、僕のそばにいてよ、幸珀」


「善兄のそばにいたら、不自由するに決まってるでしょうが!」



善兄の恋人なんかになっちゃったりした日には、男子と会うことすらなくなって、善兄の愛に洗脳されて。


善兄による善兄のための、ふたりしか住めない束縛世界が完成しちゃう。



そんなのまっぴらごめんだ。




善兄にとっての自由と、私にとっての自由は、きっと違う。


私は、誰かに敷かれたレールの上をただ歩いていく、支配されたような生き方はしたくない。



もっとおおらかに、のんびりと、のどやかに暮らしたいの!




「善兄がわざわざ幸せにしてくれなくても結構っ!自分の幸せは、自分で掴むもんだよ!!」



善兄に抱きしめられながらも、難しい体勢から善兄に回し蹴りを食らわした。


華麗に避けられてしまったけど、善兄と距離ができた。



今がチャンスだ。