「今度こそ役に立ってよ?」
「俺が役に立たたねぇわけねぇだろうが」
「いや、役に立った回数の方が少ないよね?無能すぎて責める気にもならないわ」
「誰が無能だ!」
「お前だよ」
「俺は無能じゃねぇよ!」
その自信はどこから来るんだ。
善兄とは天と地ほどの力量差があるくせに。
「俺も下駄箱まで一緒にいいか?」
「ああ、いいぜ」
「たかやんも途中までボディーガードしてくれるの?」
「それはパス」
「なんで!?」
ボディーガードの依頼をきっぱり断ったたかやんと、辺りを警戒している朔と共に教室を出て、下駄箱へ向かった。
たかやんは下駄箱で弘也と剛と待ち合わせて、そのまま一緒に洋館に行くらしい。
私は一旦帰宅して男装しなくちゃいけないから、皆とは別行動なんだ。



