BAD & BAD【Ⅱ】







どれくらい経っただろうか。



京ママは何杯目かの日本酒を飲んで、師匠と何気ない会話を続けていた。


ビデオカメラに、おつまみを食べている京ママの赤くなった顔が、はっきりと映っている。



「か、母さん、もうお酒はそのへんにしたら……?」


「らーめ、まらろむろっ!」



日本酒の瓶を抱きかかえた京ママは、先程までとは明らかに様子が違う。


滑舌が回らなくなってるし、幼くなってるし、あれはどう見ても完全に酔っ払ってる。



京ママが高らかに笑いながら、日本酒をグラスに流し入れていく。



「あー、こぼれてるこぼれてる!」


「こおれてらいっ」


「こぼれてるよ……」



京ママって、いつもあんなにお酒を飲んでるの?


アルコール依存ではないらしいけど、あれじゃあただの酒好きじゃん。



「京ママ、酒強ぇな」

「豪酒だったのかよ」


剛とたかやんが、顔を引きつらせている。



豪酒の上に酒乱だなんて……師匠が苦労するわけだわ。