どれくらい経っただろうか。
京ママは何杯目かの日本酒を飲んで、師匠と何気ない会話を続けていた。
ビデオカメラに、おつまみを食べている京ママの赤くなった顔が、はっきりと映っている。
「か、母さん、もうお酒はそのへんにしたら……?」
「らーめ、まらろむろっ!」
日本酒の瓶を抱きかかえた京ママは、先程までとは明らかに様子が違う。
滑舌が回らなくなってるし、幼くなってるし、あれはどう見ても完全に酔っ払ってる。
京ママが高らかに笑いながら、日本酒をグラスに流し入れていく。
「あー、こぼれてるこぼれてる!」
「こおれてらいっ」
「こぼれてるよ……」
京ママって、いつもあんなにお酒を飲んでるの?
アルコール依存ではないらしいけど、あれじゃあただの酒好きじゃん。
「京ママ、酒強ぇな」
「豪酒だったのかよ」
剛とたかやんが、顔を引きつらせている。
豪酒の上に酒乱だなんて……師匠が苦労するわけだわ。



