悩みに悩んだ末、剛は3台の中で1番最新型のビデオカメラを選んだ。
そして、私達は早速作戦の予行練習を始めた。
予想外の出来事が起こる可能性も視野に入れながら、あえて理想を詰め込みすぎずに、作戦の骨となるポイントのみを重点においてシミュレーションしていった。
作戦の筋書きを大雑把に確認しだしてから、約30分後。
あとやっていないのは、師匠が京ママに訴えかけるところか。
決められた台本とかセリフとかはないし、練習してもプレッシャーが増して逆効果になるかもしれない。
それなら、確認はしない方がいい。
「……こんな感じでいい、かな」
私の一言で、予行練習が終了した。
あとは、京ママの帰りを待つだけだ。
「京ママが帰ってくるまで、のんびりしてようぜ」
「賛成!ししょー、お菓子と飲み物もらえます?」
「お前ら、くつろぎすぎだっ!!」
ダイニングテーブルの奥にある、大きなソファに座った剛と私に、たかやんが指差して説教する。
ほらね、作戦参加メンバーにたかやんは必要だったでしょ?
ツッコミ不在だったら、ここはもう自由奔放なジャングルだったよ。



