BAD & BAD【Ⅱ】





え?たかやん、何を言ってるの?


あなたは綺麗好き中の綺麗好きだよ?

自覚してなかったの?バカじゃないの?




「あんなに掃除にこだわってたくせに、よくそんなことが言えるね?」


「あれは、パーティーした後のたまり場が尋常じゃねぇくらい汚いから、代表して俺が掃除を呼びかけてるんだ」


「でも、めっちゃこだわってるじゃん!」


「やるなら徹底的にやるだろ、普通」




ああ、そういうこと。


たかやんって、やり始めたら止まらなくて、とことんやりこんじゃうタイプだったのね。それは知らなかった。



だけど、やっぱりたかやんは綺麗好きだと思うよ。



「んだよ、その顔は」


「なんでもない、なんでもないよ」


「なんで2回繰り返した?」



私はたかやんを横切り、作戦の舞台となるリビング全体を見渡した。


師匠から聞いていた通りだ。



リビングに向いて設置してある、仕切りのないダイニング。いわゆる、カウンターキッチンだ。


そのキッチンの前にあるダイニングテーブルで、京ママはよくお酒を飲んでいるらしい。