え?たかやん、何を言ってるの?
あなたは綺麗好き中の綺麗好きだよ?
自覚してなかったの?バカじゃないの?
「あんなに掃除にこだわってたくせに、よくそんなことが言えるね?」
「あれは、パーティーした後のたまり場が尋常じゃねぇくらい汚いから、代表して俺が掃除を呼びかけてるんだ」
「でも、めっちゃこだわってるじゃん!」
「やるなら徹底的にやるだろ、普通」
ああ、そういうこと。
たかやんって、やり始めたら止まらなくて、とことんやりこんじゃうタイプだったのね。それは知らなかった。
だけど、やっぱりたかやんは綺麗好きだと思うよ。
「んだよ、その顔は」
「なんでもない、なんでもないよ」
「なんで2回繰り返した?」
私はたかやんを横切り、作戦の舞台となるリビング全体を見渡した。
師匠から聞いていた通りだ。
リビングに向いて設置してある、仕切りのないダイニング。いわゆる、カウンターキッチンだ。
そのキッチンの前にあるダイニングテーブルで、京ママはよくお酒を飲んでいるらしい。



