真っ白な外装の、見るからに高級そうなマンション。その10階の角部屋に、師匠は京ママと暮らしているらしい。
京ママ、儲かってるなあ。
師匠は、京ママは弁護士の仕事をしている、と言っていた。
酒乱さえなければ、京ママはシングルマザーの鑑だ。
「こっちだよ」
ふと、師匠の声が聞こえて我に返る。
師匠の案内に従って、私達はマンション内に入った。
セキュリティーもばっちりだし、とにかく豪華だし、ゴージャス感溢れるホテルみたいだ。
私達はエレベーターで10階まで上がり、師匠の家の前まで移動した。
「京ママは、いつ頃仕事から帰ってくるんですか?」
「日によって違うけど、最近は特に忙しそうで、休日も返上して仕事してるみたい。だから今日の帰宅時間は、夜の7時から10時くらい、かな」
「うへぇ、弁護士って大変そうですね」
「お前は一生就けねぇ仕事だな」
「それはどういう意味かな、剛クン」
笑顔で殺気をまき散らしたら、剛がサッと目を背けた。
こら、こっち向け。



