たかやんは毒舌を吐きながらも、仕方なさそうに私の腕を引っ張って、自分のお腹に回した。
これは、乗せてってやるよ、ってことでいいんだよね?
やったあ、許しをもらえた。ありがとう。心おきなく乗車させてもらうね。
安全運転で、いざしゅっぱーつ!
そして、全てのバイクが動き出す。
師匠は剛の後ろに乗せてもらったようだ。
途中まで全員同じ道を走るが、私達の住む街に入ったら、作戦参加メンバーの私達4人は皆と一旦別れて、師匠の家への最短ルートをたどる。
他の皆は、そのまま神雷の洋館へ帰る予定だ。
昨夜師匠に教えてもらったルートを行けば、夕方頃には師匠の家に到着する。
……いよいよ、か。
作戦会議をしたのは、昨日の真夜中。感覚的には、ついさっきのことだ。
いよいよ、と言うのはおかしいかもしれないけど、いよいよな気がしてならない。
まるで長年かけて計画してきたみたいに、高揚してる。
師匠のはちきれんばかりの想いが、私にまで伝染してしまったのだろうか。
神雷は良い子の集まりだよ大作戦を、思い出す。
あの時は、どうだったんだっけ。
今と同じように、ほんのちょっとの緊張を抱きながら、高ぶっていたんだっけ。



