耳を塞ごうとしたら、どこからかヘルメットが飛んできて、反射的にキャッチした。
「早く乗れよ」
ヘルメットを投げてきたのは、たかやんだったらしい。
私が何も言わなくても、乗せてくれるの?
優しい。かっこいい。さすが。神。
「たかやん、イッケメーン!!」
「……やっぱ乗んな。ヘルメット返せ」
「なんで急に不機嫌になるの!?」
「お前のせいに決まってんだろ」
「意味不明!」
返却要請したって遅い。
もうヘルメットかぶっちゃったもーん。
たった今、たかやんの後ろに乗っちゃったもーん。
「運転よろしくね、たかやん」
「今すぐ降りろ」
「やだ」
「走行中に投げ捨てるか……」
「何それ、ひどい!」
塩対応……というか、無慈悲すぎる鬼対応やめて。
弥生家をなんとかしよう大作戦の参加メンバー同士じゃん!親友じゃん!隣の席じゃん!仲間じゃん!!



