これから、京ママと腹をくくって向き合う予定なのに、

師匠があんなにも、みずみずしく笑っていられているのは、息苦しかった殻を破って、成長できたからなのかもしれない。



作戦の重要人物である師匠が……私達の大事な総長がああだから、皆もいつも通りでいられる。


師匠の目元はやや赤く腫れているが、それすらも師匠の純粋さを際立たせていた。




「おかわり!」


「食うの早ぇな」


「桃太郎は、少食女子みたいに遅いね」


「お、俺は、よく噛んで食べてるだけだ!」




よく噛んで食べるのは、女子力なのか?


女子力に影響するなら、私もよく噛んで食べるのを心がけよう。




2杯目のカレーライスもぺろりと平らげ、腹ごしらえは万端。


昨日作戦についてはいっぱい話し合ったから、今更付け加えることは特にない。





私はあまり無い自分の荷物をカバンに詰め込んで、豪華な老舗旅館風な別荘を出た。


お世話になりました。また来る機会がありましたら、ぜひメイドと執事付きでお願いします。あと、アスレチックコースの落とし穴はなくしてください。




別荘の前では、もう既に皆がバイクのエンジンをかけていた。


エンジン音、うっさ!

皆、同時にエンジンかけるなよ!耳がもげるわ!