さっきから、お腹がぐうぐう鳴ってる。
おっと、いけない。よだれが垂れちまったぜ。
食欲を膨らませつつ、昼食の前に身支度を整えようと大部屋を出た。
まずは洗面台で顔を洗って、歯磨きして、髪を整えて。
あっ、そうだ、服も着替えなきゃだった。浴衣がフィットしすぎてて忘れてた。
上の階の個室で、ワンサイズ大きめのでかパーカーを着て、ラフな格好にチェンジ。
私が身支度を完璧に整えてる間に昼食ができたようで、大部屋に戻るといい匂いが鼻をかすめた。
部屋の真ん中につなげて置かれた3つのテーブルに、全員分の昼食が並べられていた。
1つのテーブルは元々ここにあったからわかるとして、残りの2つのテーブルはどこから持ってきたんだろう。剛が用意したのかな。
まあ、細かいことはどうでもいいや。
「お昼ご飯はカレーか!」
「あ、幸珀、戻ってきたんだ。おは……じゃないか、おそよう」
「わざわざ言い直さんでよろしい。おはよう、真修」
高めの位置に結ったポニーテールを揺らしながらスキップして、部屋の真ん中に移動する。
真修の隣に座った私は、野菜もお肉もゴロゴロ入ったカレーライスを前に、口元を緩めた。



