BAD & BAD【Ⅱ】





「小泉先生、そう頭ごなしに叱らないでやってください。顔色も悪いですし、何か理由があったのかもしれませんよ」



小泉パパに続けて近寄ってきた、善兄の長い指がふわり、私の頬に触れた。


ヒュッ、と息が切れて、嫌悪感でいっぱいになる。




……やっぱり、嫌い。

あんたなんか、大嫌いだ。




「もしかして、体調悪い?」


「こいつが体調悪いわけないっすよ。バカは風邪ひかないって言うし」



ちょっとたかやん!?

そのフォローは一体何!?


ていうか、それフォローなの?悪口じゃないよね!?



私は少々ムカつきながらも、たかやんのおかげで正気に戻った。



「たかやんの言う通り、スーパー元気です!!」



私の頬を包んでいる善兄の手を払った。


私に、気安く触らないで。




「スーパー元気って何だよ」


「そのまんま、超元気ってことだよ!」


「だったら最初からそう言えよ。スーパー元気とかダサすぎ」


「たかやん、ひどいっ」




いいじゃん、スーパー元気も。

なんか、あの、その……スーパーって感じしない?