「小泉先生、そう頭ごなしに叱らないでやってください。顔色も悪いですし、何か理由があったのかもしれませんよ」
小泉パパに続けて近寄ってきた、善兄の長い指がふわり、私の頬に触れた。
ヒュッ、と息が切れて、嫌悪感でいっぱいになる。
……やっぱり、嫌い。
あんたなんか、大嫌いだ。
「もしかして、体調悪い?」
「こいつが体調悪いわけないっすよ。バカは風邪ひかないって言うし」
ちょっとたかやん!?
そのフォローは一体何!?
ていうか、それフォローなの?悪口じゃないよね!?
私は少々ムカつきながらも、たかやんのおかげで正気に戻った。
「たかやんの言う通り、スーパー元気です!!」
私の頬を包んでいる善兄の手を払った。
私に、気安く触らないで。
「スーパー元気って何だよ」
「そのまんま、超元気ってことだよ!」
「だったら最初からそう言えよ。スーパー元気とかダサすぎ」
「たかやん、ひどいっ」
いいじゃん、スーパー元気も。
なんか、あの、その……スーパーって感じしない?



