BAD & BAD【Ⅱ】






こんな単純な作戦でどうにかなるのかなんて、わからない。


イチかバチかの賭けだ。

プレッシャーがない、と言えば嘘になる。



それでも、やってみせようじゃないか。


失敗する確率が高くたって、大逆転の場外ホームランを打って、成功をこの手に掴んでやる。




「……っていう感じ。はい、内容は以上。続いて、準備やら役割やら作戦の流れやら、とにかくいろいろと説明するよー」


「雑だな、おいっ!」



簡潔に概要を述べた後、桃太郎のどでかい声をあしらいつつ、さらに細かく作戦内容を話し始めた。


皆で意見を交換しながら、私の案をより密度濃く、頑丈に固めていく。




「じゃあ作戦参加メンバーは、私と師匠と剛とたかやんで、オッケー?」


「京と剛はわかるけど、どうしてお前と俺まで参加しなくちゃいけねぇんだよ」


「私は作戦の提案者だから、当然参加するに決まってるじゃん!」




いわば、この作戦のリーダーだからね。行かないわけにはいかない。


というか、作戦の結果が気になるからついてく!



「じゃあ、俺は?」


「無法な悪ガキどもを、しつけする人がいてくれなきゃ困るでしょ?たかやんも同行よろしく」


「拒否権なしかよ。まあ別にいいけど」