こんな単純な作戦でどうにかなるのかなんて、わからない。
イチかバチかの賭けだ。
プレッシャーがない、と言えば嘘になる。
それでも、やってみせようじゃないか。
失敗する確率が高くたって、大逆転の場外ホームランを打って、成功をこの手に掴んでやる。
「……っていう感じ。はい、内容は以上。続いて、準備やら役割やら作戦の流れやら、とにかくいろいろと説明するよー」
「雑だな、おいっ!」
簡潔に概要を述べた後、桃太郎のどでかい声をあしらいつつ、さらに細かく作戦内容を話し始めた。
皆で意見を交換しながら、私の案をより密度濃く、頑丈に固めていく。
「じゃあ作戦参加メンバーは、私と師匠と剛とたかやんで、オッケー?」
「京と剛はわかるけど、どうしてお前と俺まで参加しなくちゃいけねぇんだよ」
「私は作戦の提案者だから、当然参加するに決まってるじゃん!」
いわば、この作戦のリーダーだからね。行かないわけにはいかない。
というか、作戦の結果が気になるからついてく!
「じゃあ、俺は?」
「無法な悪ガキどもを、しつけする人がいてくれなきゃ困るでしょ?たかやんも同行よろしく」
「拒否権なしかよ。まあ別にいいけど」



