たかやんは呆れながら、詳しく説明するよう促した。
はいはい、わかってるってば。
そう急かさないでよ、たかやん。
バカな不良ボーイズにも、わかりやすくレクチャーしてあげるよ。
……だけど、その前に。
右隣の師匠に、目を向ける。
「この作戦には、師匠が今まで培ってきたであろう訴える力が、大きく関わってきます」
もしも、訴える力が不十分に終わった場合、暴力は失くなるだろうけれど、代わりに家族関係を犠牲にしてしまう。
そんなバッドエンドは、全力で避けたい。
「覚悟はできていますか、師匠」
「うん」
師匠は静かに一言告げて、一度だけゆっくり頷いた。
たったそれだけの動作なのに、師匠の熱を大量に感じた。
真っ直ぐな師匠の信念に、私達の意欲が駆り立てられる。
「それじゃあ、作戦内容について説明するよ。皆、ちゃーんと聞いててね」



