BAD & BAD【Ⅱ】





たかやんは呆れながら、詳しく説明するよう促した。



はいはい、わかってるってば。

そう急かさないでよ、たかやん。


バカな不良ボーイズにも、わかりやすくレクチャーしてあげるよ。




……だけど、その前に。



右隣の師匠に、目を向ける。



「この作戦には、師匠が今まで培ってきたであろう訴える力が、大きく関わってきます」



もしも、訴える力が不十分に終わった場合、暴力は失くなるだろうけれど、代わりに家族関係を犠牲にしてしまう。


そんなバッドエンドは、全力で避けたい。



「覚悟はできていますか、師匠」

「うん」


師匠は静かに一言告げて、一度だけゆっくり頷いた。



たったそれだけの動作なのに、師匠の熱を大量に感じた。


真っ直ぐな師匠の信念に、私達の意欲が駆り立てられる。




「それじゃあ、作戦内容について説明するよ。皆、ちゃーんと聞いててね」