BAD & BAD【Ⅱ】





思考回路を過る、3つの対策それぞれの具体的な案。



なんとなくの方法は思いついた。

それを、どうやって行動に起こそうか……。



インターネットでさえ「治すのはほぼ不可能」と記されているくらいだ。


対策を実行しても、京ママには響かないのかもしれない。



でも、京ママの軸を激しく揺さぶれるような、暴走を師匠の想いで丸ごと抱きとめられるような、そんな行動で不可能を覆したい。





少し、ほんの少しでいい。


師匠の願いを、叶えたいんだ。





「……多少手荒なやり方になっちゃうかもだけど、これしかないか」



小さな呟きが、部屋に浸透していく。


私の独白に反応して、皆が私を視線で捉えた。



「何かいい案が思いついたの?」


「ちょっと荒っぽくなってもいいですか?」


「荒っぽいって、どのくらい?」



師匠が恐る恐る聞いてきて、私はうーん……と悩む素振りをする。




「しいて言うなら……」


「しいて言うなら?」


「さっきみたいな、弘也がたかやんに厳しく説教されるくらい、ですかね」


「それくらいならいいよ!」


「どういう基準だよそれ」




たかやん、ナイスツッコミ!

鋭くて良かったよ!