思考回路を過る、3つの対策それぞれの具体的な案。
なんとなくの方法は思いついた。
それを、どうやって行動に起こそうか……。
インターネットでさえ「治すのはほぼ不可能」と記されているくらいだ。
対策を実行しても、京ママには響かないのかもしれない。
でも、京ママの軸を激しく揺さぶれるような、暴走を師匠の想いで丸ごと抱きとめられるような、そんな行動で不可能を覆したい。
少し、ほんの少しでいい。
師匠の願いを、叶えたいんだ。
「……多少手荒なやり方になっちゃうかもだけど、これしかないか」
小さな呟きが、部屋に浸透していく。
私の独白に反応して、皆が私を視線で捉えた。
「何かいい案が思いついたの?」
「ちょっと荒っぽくなってもいいですか?」
「荒っぽいって、どのくらい?」
師匠が恐る恐る聞いてきて、私はうーん……と悩む素振りをする。
「しいて言うなら……」
「しいて言うなら?」
「さっきみたいな、弘也がたかやんに厳しく説教されるくらい、ですかね」
「それくらいならいいよ!」
「どういう基準だよそれ」
たかやん、ナイスツッコミ!
鋭くて良かったよ!



