なんか、どっと疲れた。
うん、もう、弘也黙って。お前の役目は終わった。あとは私達でやっておくから、お前はこっちの邪魔をせずに、ぐっすり寝てて。いい夢でも見てな。おやすみ。
「酒乱対策のキーワードは、自覚と断酒とストレスだな」
「あー、そうだったそうだった」
剛の咄嗟のフォローにより、師匠の気分をさらに下げずに済んだ。
ありがとう、剛。君より弘也の方がアホだって、たった今証明されたね。君は、ちょっとアホに昇格だ。おめでとう。
「師匠、元気出してください!ほぼ不可能なだけで、絶対に不可能じゃないんですから、自信持って!」
「う、うん、そうだよね!俺達ならできるよね!」
ここでこそ、自信満々になってください。
あきらめずに立ち向かいましょう。
「京ママがアルコール依存だったら、断酒するのは難しいんじゃ……?」
「あ、それは大丈夫!母さんは、お酒に依存はしてるわけではないから」
真修がふとした疑問を投げかけると、師匠は笑顔で否定した。
それなら、断酒はなんとかなりそうだ。
だけど、断酒させる前に、まずは自覚をさせないといけない。



