BAD & BAD【Ⅱ】





なんてことを言うんだ、パッツン男!


師匠が思いっきり肩を下げちゃったじゃないか!



笑い話じゃないよ。全然笑えないよ。

師匠の気分を落とすんじゃないっ!!



わざとじゃないところが、またイラつく。ちょっとは気を遣え。


よくこんな空気の読めないチャラ男がモテるな。弘也に恋する女子達の目は節穴なの?結局、外見重視?イケメンがいいのはすごく同感だけど……世も末だな。




「アホ!!」


「いったー!な、なんで今叩かれたの!?」


「それくらい自分で考えろ、アホ!!」


「2回もアホって言ったー!」




たかやんが兄として、弘也を叱る。



この空気の悪さに気がついてないとか、能天気すぎる。


たかやん、もっと弘也を叩いておいて。しっかり教育してね。頼むよ。




「……で、なんだったっけ?」



弘也のせいで忘れちゃったよ。

酒乱を治す方法は、えーっと、自覚することと、あとは……。



「だーかーらー、酒乱を治すのはほぼふか……」


「そっちじゃない!!」



たかやんにアホと怒鳴られた理由を、ちっともわかっていない弘也がまた失言してしまう前に、大声で遮った私のファインプレーにたかやんが親指を立てた。


これ以上、師匠の傷口をえぐるな!