なんてことを言うんだ、パッツン男!
師匠が思いっきり肩を下げちゃったじゃないか!
笑い話じゃないよ。全然笑えないよ。
師匠の気分を落とすんじゃないっ!!
わざとじゃないところが、またイラつく。ちょっとは気を遣え。
よくこんな空気の読めないチャラ男がモテるな。弘也に恋する女子達の目は節穴なの?結局、外見重視?イケメンがいいのはすごく同感だけど……世も末だな。
「アホ!!」
「いったー!な、なんで今叩かれたの!?」
「それくらい自分で考えろ、アホ!!」
「2回もアホって言ったー!」
たかやんが兄として、弘也を叱る。
この空気の悪さに気がついてないとか、能天気すぎる。
たかやん、もっと弘也を叩いておいて。しっかり教育してね。頼むよ。
「……で、なんだったっけ?」
弘也のせいで忘れちゃったよ。
酒乱を治す方法は、えーっと、自覚することと、あとは……。
「だーかーらー、酒乱を治すのはほぼふか……」
「そっちじゃない!!」
たかやんにアホと怒鳴られた理由を、ちっともわかっていない弘也がまた失言してしまう前に、大声で遮った私のファインプレーにたかやんが親指を立てた。
これ以上、師匠の傷口をえぐるな!



