さあ、会議を進めよう。
さっきの弘也の意見は、割と的を射ている。
現在は便利な時代だ。インターネットひとつあれば、大抵のことは調べられ、様々な人の意見を知れる。
バカな私達が、あーだこーだ議論を重ねながら作戦内容を考えるよりも、インターネットで検索した方がもっと的確で確実な情報を得られる。
もちろん、嘘か誠かわからないなどのデメリットもあるのだが、酒乱についてほぼ知識のない私達にとっては、もうインターネットだけが頼り。デメリットなんか気にしている場合ではない。
「どうだ、弘也。調べられたか?」
「バッチリ!」
「さすが、慣れてるな」
作戦会議が始まって初めて喋った凛に、弘也はピースサインを示した。
てっきり凛は寝てると思ってたけど、よかった、起きてたんだね。
「記憶がない系の酒乱対策としてはねぇ、自覚させることと断酒させること、それからストレスを失くすことがいいんだってさ」
自覚、断酒、ストレス抹消……か。
ふむふむ、なるほど。
腕を組んで脳を働かせていたら、弘也が「でも」と続ける。
「酒乱を治すのは、ほぼ不可能らしいよ~」
弘也は笑いながら、軽い口調で最後に空気をどんよりと重くしてから、インターネットを閉じた。



