いいアイデアだけど、なんだろう、イライラする。
多分、あの現代っ子のドヤ顔のせいだ。
あいつは人をイラつかせる天才か?
皆、同じことを考えていたらしく、見事にシーンと静まり返った。
「えっ、な、何この沈黙。僕、おかしなこと言った~?」
「お前は全てがおかしいんだよ!」
「ああ、かっこよすぎて目がおかしくなるってこと?なーる」
「なーる、じゃねぇよ!そういうところがおかしいっつってんだよ!!」
桃太郎がせっかく弘也のウザさを簡潔に教えてあげたのに、弘也は毎度変わらないナルシスト思考で、ちゃっかり自分の好きなように解釈してしまった。
また、マイナス温度の沈黙が流れる。
弘也の頭はどうなってんの?都合良すぎじゃない?
イライラをすっ飛ばして、もはや感心すらするわ。
「……弘也のことはひとまず置いといて」
「置いといていいのかよ!?」
「ひとまず、ひとまずね」
どうどうと桃太郎を落ち着かせる。
桃太郎の気持ちはよくわかるけど、ここはぐっとこらえて!
今最優先に行うべきなのは、京ママを変えるための作戦会議だ。弘也の一挙一動にいちいち絡んでいたら埒があかない。



