BAD & BAD【Ⅱ】





私達不良って、普段喧嘩三昧で暴走ばっかりしてるもんね。


自分が酒乱なのかなんて、判断しづらい。



ここにいる誰かが泥酔して、奇声発しながら腕を振り上げていても。

あいつ喧嘩好きだなあ、またやってるよ、珍獣うるさいな、面倒くさいな、としか思わない。




「どうして私達は不良なんだろうね、たかやん」

「それを言うな」



素知らぬ顔で法律を無視して、未成年のくせに飲酒してる奴らがこんなにも多くいるのに、誰1人としてこの会議で役に立たない。



この場にいる不良ども、使えなさすぎるだろ。


ちなみに私は、飲酒したことはない。いい子でしょ?




「こういう時はコレの出番だー!」



たかやんと自分達の無能さを噛み締めていたら、突然弘也がある物を突き出した。



「それは……す、スマホ?」


「イエース!桃太郎、よくわかったね☆」


「見りゃわかるわ。バカにすんな!」



浴衣にポケットなんか無いよね?

スマホをどこから取り出したの?マジック?



「情報化社会の今、ネットに聞けばなんでもわかっちゃう時代なんだよー!」



弘也は、まるで自分が情報化社会の第一人者のように、自慢げにドヤ顔をした。