私達不良って、普段喧嘩三昧で暴走ばっかりしてるもんね。
自分が酒乱なのかなんて、判断しづらい。
ここにいる誰かが泥酔して、奇声発しながら腕を振り上げていても。
あいつ喧嘩好きだなあ、またやってるよ、珍獣うるさいな、面倒くさいな、としか思わない。
「どうして私達は不良なんだろうね、たかやん」
「それを言うな」
素知らぬ顔で法律を無視して、未成年のくせに飲酒してる奴らがこんなにも多くいるのに、誰1人としてこの会議で役に立たない。
この場にいる不良ども、使えなさすぎるだろ。
ちなみに私は、飲酒したことはない。いい子でしょ?
「こういう時はコレの出番だー!」
たかやんと自分達の無能さを噛み締めていたら、突然弘也がある物を突き出した。
「それは……す、スマホ?」
「イエース!桃太郎、よくわかったね☆」
「見りゃわかるわ。バカにすんな!」
浴衣にポケットなんか無いよね?
スマホをどこから取り出したの?マジック?
「情報化社会の今、ネットに聞けばなんでもわかっちゃう時代なんだよー!」
弘也は、まるで自分が情報化社会の第一人者のように、自慢げにドヤ顔をした。



