起こってほしくなかったが、なんとなくそうなってしまうような気はしていた。
善兄が、私のクラスの担当になることを。
「お前がそこまで嫌うなんて珍しいな」
「たかやんも今朝見たでしょ?あいつの変質的なところを」
「ああ、あれには驚いた。まさかお前相手に発情できる奴がいたとは……」
「ちょっと!驚くポイントが微妙にずれてるよ!!」
てか、発情って何さ、発情って。
寵愛しているとか、片思いしてるとか、もっとマシな言い回ししてよ。
たかやんって、もしかして私を人間じゃなくて猛獣として見てない?
そのおかしなフィルター早く外して、私を王道ヒロインとして見てくれ。
「しかも、あんなイケメンが、だ」
「私は可愛いから好かれるのは仕方ない。でも、あいつの愛は重すぎるの!平均値を軽く超えてるの!ありえなくない!?」
「さらっと自意識過剰発言かましてんじゃねぇよ」
意地の悪い束縛で、したたかに彼氏気取りする善兄とは、できるだけ接したくはない。
一切のコミュニケーションを拒絶したいくらいだ。



