BAD & BAD【Ⅱ】





起こってほしくなかったが、なんとなくそうなってしまうような気はしていた。


善兄が、私のクラスの担当になることを。




「お前がそこまで嫌うなんて珍しいな」


「たかやんも今朝見たでしょ?あいつの変質的なところを」


「ああ、あれには驚いた。まさかお前相手に発情できる奴がいたとは……」


「ちょっと!驚くポイントが微妙にずれてるよ!!」




てか、発情って何さ、発情って。

寵愛しているとか、片思いしてるとか、もっとマシな言い回ししてよ。



たかやんって、もしかして私を人間じゃなくて猛獣として見てない?


そのおかしなフィルター早く外して、私を王道ヒロインとして見てくれ。




「しかも、あんなイケメンが、だ」


「私は可愛いから好かれるのは仕方ない。でも、あいつの愛は重すぎるの!平均値を軽く超えてるの!ありえなくない!?」


「さらっと自意識過剰発言かましてんじゃねぇよ」



意地の悪い束縛で、したたかに彼氏気取りする善兄とは、できるだけ接したくはない。


一切のコミュニケーションを拒絶したいくらいだ。