教育実習期間である2週間、こんな変態と過ごさなくちゃいけないの?
「これから2週間毎日幸珀に会えると思うと、嬉しくて仕方ないよ」
「こっちは今にも泣きたいくらい悲しいよ!」
鬼畜かよ。
ありえない。
現実逃避したい。今すぐ家に帰りたい。
どうして、よりによって私のいる学校なの!?
善兄め、もしかしなくても仕組みやがったな?
不幸で、危険で、最低最悪な地獄の日々が始まる予感しかしない。
2学期に寄せていた期待を返せ!
神様、私はあなたに何か恨まれるようなことをしてしまったのでしょうか?
始業式が終わり、教室に戻ってすぐに行われたHR。
肌が少し焼けた小泉パパの隣には、この世で1番嫌いな人が。
きゃーきゃー騒いでいる周りとは裏腹に、私の気分は底辺まで落ちている。
「悪夢だ……」
神様はとことん私を甚振りたいらしい。
「はい、静かに。今日から2週間、教育実習生の渡部【ワタベ】が俺の補佐をしてくれることになった」
「初めまして、渡部善です。よろしくお願いします」
クラスメイトが最大限に盛り上がる中、私はこっそり舌打ちをした。



