師匠の手は、咄嗟に差し出したハンカチを通り越して。 ハンカチを持っている私の右手を、力なく握った。 「パーカーマン、助けて」 私じゃなくてパーカーマンに救助要請? そこはせめて、私の名前を呼んでくださいよ! ……でも。 受け取りましたよ。 師匠が振り絞った、ちっぽけな勇気も。 不安で、怖くて、息苦しくてたまらない、独りきりの脆い想いも。 ちゃんと、受け取りました。 「助けて……っ!」 私は朗らかに口角を上げながら、おぼろげな師匠の大きい手をそっと握り返した。