弘也と凛に呆れながら、心配で師匠を見つめる。
師匠は俯いているから、どんな表情をしているのか、よくわからなかった。
でも、ポタリポタリと落ちた涙が床にシミを作っていて、師匠の嘆きだけは痛いほど伝わってきた。
それほど大切で、大好きで、お気に入りのプレゼントだったんだな。
「ねぇ、弘也」
「なななななに?」
「声震わせすぎでしょ」
「だ、だってぇ」
「涙ぐまないで。今辛いのは、あんたじゃなくて師匠なんだからね」
そう厳しく言うと、弘也は震えを強引に押さえ込むように、ギュッと拳を握り締めた。
ちょっとはマシになったね。
「それで、な、なに?」
「弘也は、何年かかってもゲーム機を完全に修復して償うか、弘也自身がゲーム機になって師匠の辛さを少しでも紛らわせるか、どっちがいい?」
「どうしてその2択!?」
「現実的に考えるなら、修復だけど……」
「現実的じゃなくても、そっちを選ぶっしょ!」



