BAD & BAD【Ⅱ】





生唾を飲んで、恐る恐る破壊音のした方へ移した視線の先にあったのは、

弘也の左足の下敷きになっている、画面が割れた師匠のゲーム機だった。



弘也は即座に、ゲーム機から足をどかす。



……予想が的中してしまった。

最悪だ。


もう、ほんと、最悪以外のワードが出てこないくらい、最悪だ。




「えっと、あ、あの、」


「……」


「……き、京?」


「……」




顔面蒼白の弘也は、しゃがんで師匠の顔を覗き込むが、師匠からの応答はなし。


空気が淀んでいってるのは、気のせいではないだろう。




「ご、ごご、ごめんっ!!で、でも、画面が割れても使え……」



全力で動揺してながらも、真っ黒な画面のゲーム機に電源を入れたり、試しにいじってみたりしたけれど、画面が明るく光ることはなかった。



あれは、もうダメだな。


画面だけじゃなく、中身の大事な機械まで壊れてる。



「……見事に使えないねぇ。うわわ、どうしよ。き、京、本当にごめん!!」