BAD & BAD【Ⅱ】






「部屋を破壊すんじゃねぇぞ、てめぇら」



激しくなってきた枕投げに、たかやんは若干焦っている。



大丈夫、大丈夫!

部屋を破壊しない程度に、弘也を懲らしめるだけだから。心配しないで。



「くたばれっ!!」


「こんなんでやられないよーん」



いくら枕を投げても、弘也に当たらない。


すばしっこい奴め。

さっさと朽ち果てろ。


私は枕投げよりもゲームがしたいんだよ!



弘也に向けて力強く投じた枕は、弘也にいとも簡単にかわされて。


「痛っ」

「あ」


弘也の後ろにいた、凛の背中に衝突してしまった。


あちゃー、やっちゃった。




「凛、ごっめん」


「枕投げしてたのか?」


「うん」


「だからうるさかったのか」