ムカつきながら振り返った先には、枕が落ちていた。
これか、私にぶつかってきたのは。お前を投げたのはどこのどいつだ。
「へへーん」
「……貴様か、パッツン男」
犯人は弘也だった。
そんなに構われたいの?
駄々っ子かよ。
頼むから、私に思う存分ゲームをさせて。
「鬱陶しいから静かにして!!」
「おっと~」
怒り任せに枕を投げ返したら、ひょいっと軽く避けられた。
そこは空気を読んで、枕に当たって静かになってよ。
弘也がうつろな目を細めて愉快に笑いつつ、また投げてきた枕に、苛立ちながら咄嗟に近くにあった枕をぶつけた。
「なんだなんだ?枕投げか?」
「俺も参戦するぜ!」
私と弘也のやり合いに感化され、剛と桃太郎も枕を手にした。



