BAD & BAD【Ⅱ】





ムカつきながら振り返った先には、枕が落ちていた。


これか、私にぶつかってきたのは。お前を投げたのはどこのどいつだ。



「へへーん」


「……貴様か、パッツン男」



犯人は弘也だった。



そんなに構われたいの?

駄々っ子かよ。


頼むから、私に思う存分ゲームをさせて。



「鬱陶しいから静かにして!!」


「おっと~」



怒り任せに枕を投げ返したら、ひょいっと軽く避けられた。


そこは空気を読んで、枕に当たって静かになってよ。



弘也がうつろな目を細めて愉快に笑いつつ、また投げてきた枕に、苛立ちながら咄嗟に近くにあった枕をぶつけた。




「なんだなんだ?枕投げか?」


「俺も参戦するぜ!」



私と弘也のやり合いに感化され、剛と桃太郎も枕を手にした。