ゲームのコントローラーを放り出した弘也は、大部屋を出て行った。
いつにも増して子どもだなぁ。酔っ払ってるせい?
まあいいや。そのうち戻ってくるだろ。
「じゃあ、弘也の代わりに私やろーっと」
「今度は俺もやる」
「私とたかやんと桃太郎と剛で対戦だ!」
4つあるコントローラーを各々持って、車を選ぶ。
どれにしようかな。1番かっこいいのがいいな。
すると、勢いよく大部屋の扉が開いた。
現れたのは、今出て行ったばかりの弘也だ。
「追いかけてよ!」
「わがままか」
たかやん、ナイスツッコミ。グッジョブだよ。
はいはい、かまってちゃんはほっといて、ゲームやりましょうか。
カーレースを始めようかと思ったら、後頭部に思い切り何かをぶつけられた。
「もうっ、何!?私にもゲームやらせてよ!」



