私の優しさを無下にするとは、何たる侮辱。


もう飲ませてやんないぞ?



「桃太郎さん、怒らないでください!もう1杯、いかがです?」


「もらう。サンキューな、真修。どっかの意地の悪ぃバカな奴とは大違いだぜ」


「それは誰のことかな?」



目を逸らすな、チビ。

こっちを向け、こっちを。



「で、なんで暗かったの?」


「散々負かされたんだよ。弘也と剛に」


「あらま」



桃太郎が素直に白状したのは、真修の癒し効果のおかげだな。うんうん。


いっそ真修は、神雷のゆるキャラになっちゃえばいいと思う。



「2人が俺のことを集中的に攻撃したせいで、ボロ負けしちまって……そしたら2人がからかってきやがったんだ。ほんとムカつくぜ!」



「えっ、私もからかいたかった!」

「おいこら」



レースの景品で「オールでゲーム大会をする」という師匠の願いを叶えたので、今日は皆でゲーム三昧。


大部屋のあちこちで、ゲームが行われている。



大きなテレビの前では、たかやんと弘也と剛の仲良し3人組がカーレースをしていて。


師匠と凛は、3人組の近くでアイスを食べながら、家庭用ゲーム機で通信して対戦している。




師匠の右足首は、元気に動き回れるほど、もうほとんど良くなったらしい。すぐに治ってよかった。私と真修の応急処置のおかげかな。




下っ端達も、ゲームを観戦していたり、後方でアナグロゲームをしていたり、カーレースや家庭用ゲーム機の順番待ちをしていたりしてる。


ちなみにそれらのゲームは、全て師匠の私物。どうりで荷物が人一倍重そうだったわけだ。



皆、楽しそうで何より。

私も早く仲間に入りたい。