BAD & BAD【Ⅱ】





私は感動しながら、凛の手に自分の手を伸ばした。



大好きだよ、凛。

でも。



「ありがと」



今はサバイバルレース中ってこと、忘れないでよね。



凛の手をグッと押して支えにしながら、体勢を直して、瞬発力で凛を追い越した。


そのまま、1番にゴール地点へ。




「あ」


「ごめんね、凛。てへぺろ」



時には非情にならなくてはいけないの。


小悪魔な私も可愛いでしょ?



凛と弘也は呆気にとられながらも、私に続いてゴールした。



「イェーイ、優勝だー!」


「幸珀、ずるい!」


「ルール違反してないもーん」



弘也の文句は受理できません。


このレースは近道が禁止なだけ。私は反則してないから、結果は変わらないよ。



羨ましいだろ~。