私は感動しながら、凛の手に自分の手を伸ばした。
大好きだよ、凛。
でも。
「ありがと」
今はサバイバルレース中ってこと、忘れないでよね。
凛の手をグッと押して支えにしながら、体勢を直して、瞬発力で凛を追い越した。
そのまま、1番にゴール地点へ。
「あ」
「ごめんね、凛。てへぺろ」
時には非情にならなくてはいけないの。
小悪魔な私も可愛いでしょ?
凛と弘也は呆気にとられながらも、私に続いてゴールした。
「イェーイ、優勝だー!」
「幸珀、ずるい!」
「ルール違反してないもーん」
弘也の文句は受理できません。
このレースは近道が禁止なだけ。私は反則してないから、結果は変わらないよ。
羨ましいだろ~。



