BAD & BAD【Ⅱ】





これで2位に浮上した。

あと凛を倒したら優勝だ。


でも……凛の足が長すぎて追いつけない!



いつも通り無気力になってよ!




ゴール地点の別荘が見えてきた。


審判の真修と、怪我をして棄権した師匠と、師匠を運んでくれた下っ端が1人、ゴール近くにいた。



「幸珀、頑張れー!」



師匠の無垢なエールが、届く。



一心不乱に頑張ってます!


これ以上無理ってくらい頑張ってますよ、見ればわかるでしょ?



……なんて、照れ隠しはやめて、素直にエールを受け取っておこう。




ゴールが、目の前に迫る。



どうしよう。このまま行けば、私は2位のままだ。


約束を果たせない。



何か、逆転できるチャンスを発生させる術はないのか、考えろ、考えろ……。