これで2位に浮上した。
あと凛を倒したら優勝だ。
でも……凛の足が長すぎて追いつけない!
いつも通り無気力になってよ!
ゴール地点の別荘が見えてきた。
審判の真修と、怪我をして棄権した師匠と、師匠を運んでくれた下っ端が1人、ゴール近くにいた。
「幸珀、頑張れー!」
師匠の無垢なエールが、届く。
一心不乱に頑張ってます!
これ以上無理ってくらい頑張ってますよ、見ればわかるでしょ?
……なんて、照れ隠しはやめて、素直にエールを受け取っておこう。
ゴールが、目の前に迫る。
どうしよう。このまま行けば、私は2位のままだ。
約束を果たせない。
何か、逆転できるチャンスを発生させる術はないのか、考えろ、考えろ……。



