イライラしながら、私も2人に続いてハードルを飛び越えていく。
陸上選手並、とはいかないが、いくつか倒しながらもハードルをパスした。
あとは、ゴール地点までひたすら走るのみ。
ゴールはそう遠くはない。残り100メートルちょいくらい。
現在の1位は凛だ。あいつのアイスの執念は、もはや恐ろしいな。
私は未だ3位。このままじゃダメだ。
最後の力を振り絞り、全力疾走して2位の弘也に並んだ。
そしたら、今度は弘也が速度を上げてきた。
くっそう。こうなったら……!
「……わっ!?」
弘也の足に自分の足を当てて、弘也をコケさせた。
最初に脇腹を殴ろうとした時のお返しだ。
「性格悪っ」
「弘也よりはマシだし」
やむを得ずに静止した弘也に、私はあっかんべーっと舌を出して、凛の背中を追いかけた。
へへん、勝負とは過酷なものなのさっ。



