BAD & BAD【Ⅱ】





イライラしながら、私も2人に続いてハードルを飛び越えていく。


陸上選手並、とはいかないが、いくつか倒しながらもハードルをパスした。




あとは、ゴール地点までひたすら走るのみ。


ゴールはそう遠くはない。残り100メートルちょいくらい。



現在の1位は凛だ。あいつのアイスの執念は、もはや恐ろしいな。


私は未だ3位。このままじゃダメだ。




最後の力を振り絞り、全力疾走して2位の弘也に並んだ。


そしたら、今度は弘也が速度を上げてきた。



くっそう。こうなったら……!



「……わっ!?」



弘也の足に自分の足を当てて、弘也をコケさせた。


最初に脇腹を殴ろうとした時のお返しだ。



「性格悪っ」

「弘也よりはマシだし」



やむを得ずに静止した弘也に、私はあっかんべーっと舌を出して、凛の背中を追いかけた。


へへん、勝負とは過酷なものなのさっ。