一生懸命というよりは、無我夢中になって突き進んだ。
ちょっときつくなってきた。体力が限界に近づいてきたのかもしれない。
このレース、ハードすぎやしないか?
それでも汗を流しながら走っていたら、最後の障害物が行く道を塞いでいた。
吊り橋の次は、木材でできたハードルだ。
3列それぞれ均等の間隔に置かれたハードルを、先に跳んでいた凛と弘也を発見して、声をかける。
「凛!弘也!」
「……来たか、幸珀」
「うわぉっ、落とし穴から這い上がってきたー!本当に人間~?」
「人間だよ。当たり前でしょ」
「実は、妖怪じゃなくて?」
「んなわけあるか!どたまかち割んぞ」
師匠にはロボット、弘也には妖怪って言われた私の気持ちわかるか!?
地味に傷つくんだよ!
ちゃんと血が通った人間だわ!



