BAD & BAD【Ⅱ】





一生懸命というよりは、無我夢中になって突き進んだ。



ちょっときつくなってきた。体力が限界に近づいてきたのかもしれない。


このレース、ハードすぎやしないか?




それでも汗を流しながら走っていたら、最後の障害物が行く道を塞いでいた。



吊り橋の次は、木材でできたハードルだ。


3列それぞれ均等の間隔に置かれたハードルを、先に跳んでいた凛と弘也を発見して、声をかける。




「凛!弘也!」


「……来たか、幸珀」


「うわぉっ、落とし穴から這い上がってきたー!本当に人間~?」


「人間だよ。当たり前でしょ」


「実は、妖怪じゃなくて?」


「んなわけあるか!どたまかち割んぞ」




師匠にはロボット、弘也には妖怪って言われた私の気持ちわかるか!?


地味に傷つくんだよ!

ちゃんと血が通った人間だわ!