ガッツポーズをしながら勇ましく返事をして、ゴールを目指して走り出した。
凛達、今どこらへんにいるんだろう。
超ハイスピードで行かなきゃ、追いつかない。
本気度MAXで挑まないと。
エンジンフル稼働で、落とし穴の目印を避けながら駆けていった。
落とし穴の区域を超えて、乱杭をいとも簡単にクリアし、泥沼に塗れた道を臆せず進み、あっという間に10人以上をごぼう抜きした。
泥沼を過ぎたところにある樹木に、ここがレースの中間地点と記された看板がくくりつけられていた。
何、あのド派手な看板。
真っ赤な板に、金色の文字って。
どういう趣味してんだ。
看板を横切って少し行くと、木と鉄で構成された雲梯が設置されていた。
次の障害は雲梯か。小さい頃、よくやったなぁ。
それにしても、距離長いな。雲梯に力を入れすぎだろ。どんだけ雲梯を楽しんでほしいんだよ。
「げっ、もう追いついてきやがった」
雲梯の半分に差し掛かって、様子見のために振り返った桃太郎が、私に気づいて口の端を結んだ。



