BAD & BAD【Ⅱ】





私は数回深呼吸してから、再び上へ上へ動き出した。



背中でフレーフレーと応援してくれてる師匠の陽気さに、なおさら疲労が溜まる。


応援はありがたいんですが、できれば静かにしてください。





「……はぁ、はぁ……や、やっと、着いた……」



なんとか登りきった私は、肩で息をしながら地面に師匠を下ろした。



つ、疲れた。重かった。遠かった。

ひ弱な乙女に、なんて重労働をさせるんだ。


あー、ひんやり冷たいアイスが食べたい。



汗びっしょりな額を右袖で拭って、息をゆっくり整えていく。



「師匠、ここに誰かが来たら、スタート地点に連れて行ってもらってくださいね」


「わかった」



まだ下っ端数人がここを通過していないはず。


そいつらに師匠を任せよう。



「では、行ってきます」


「頑張ってね!」


「はい!!」