BAD & BAD【Ⅱ】






「だけど、俺はレースで優勝したいんだ。あきらめられないよ」


「それなら、私が師匠の代わりに優勝して師匠の願いである、皆でオールでゲーム大会の開催を叶えます」



最初から1位の座は狙っていたし、願いは決まっていなかったし、ゲームは大好きだからちょうどいい。




「それじゃあ、ダメですか?」


「……いいの?」


「こっちが聞いてるんですけど」


「ありがとう、幸珀!俺は最高な弟子を持って幸せだよ!」




師匠は、私の示した交換条件に花が咲いたように喜んだ。



幸せなのはいいんですが、首っ、首絞めてます!ギ、ギブギブ、苦しいです~~!!



一度動きを止めて、きつくなった師匠の腕を何度か右手で叩いたら、ようやく師匠が我に返って腕を緩めてくれた。


あ、危なかった。呼吸ができるって素晴らしいな。



「死ぬかと思った……」


「あはは、ごめんごめん」


「笑いごとじゃないですよ」



師匠が怪我人じゃなかったら、同じことをやり返してる。