右足首はシャツの袖でほどよく圧迫してるだけだから、これからさらに悪化してしまうかもしれない。


こんなことなら、落とし穴で怪我した時の対処法をみっちり学んどくべきだった!




「……うっ、」

「師匠!?」


喉から押し出したような呻き声が、くぐもって響く。



もしかして、右足首以外にも怪我をしたんじゃ……!?



「どこか痛むんですか!?」


「だ、大丈夫だよ」


「笑ってはぐらかさないでください!」



師匠が、脇腹の下らへんを手で抑えていた。



「怪我したのはそこですね!?」


「本当に大丈夫だから!」


「それのどこが大丈夫な顔ですかっ!!」



鏡でも見てください。苦痛で顔が怖くなってますよ。


そんな顔をしながら「大丈夫」って言われても、真に受けて、はいそうですかって引き下がれるか。