着地に失敗って、落とし穴にはまった時にくじいたのかな。


でも、ネットがあるから安全なんじゃ……?



ネットに移した視線が捉えた、ネットのほつれ。



師匠が落ちたところだけ、わずかにネットがほころびていた。


ネットにできた小さな穴に、右足がすっぽり入っちゃったわけか。



師匠、私よりもアンラッキーですね。




「足触ってもいいですか?」


「うん」


「……痛いですか?」


「ちょ、ちょっと」




試しに師匠の右足首を診てみたら、師匠はこんな時でも目尻をふにゃりと細めた。



痛いなら、無理して笑わなくてもいいんですよ。


痛いなら、我慢しないで泣いてもいいんですよ。




「骨は折れてはなさそうですね」


「そっかあ、よかった」


「よくないです!全然、よくないです!」


「に、2回も言わなくても……」


「骨折していないとはいえ、怪我したんですから!よくないです!!」


「3回目……」