もういいや。

師匠、すみません。めんどくなっ……、ゴホンッ、断腸の思いで、無視させていただきます!



「やっぱり、パーカーマンはかっこいいなあ!」



はいはい、そうですね。かっこいいですよね。自他共に認めてます。


褒められて悪い気はしませんが、さっさと先に行ってください。邪魔です。



心の中で相槌を打ちながら、ハイペースで登っていく。




すると、上からコロコロと小石が転がってきた。


目に砂が入らないように、俯いて目を瞑る。



さっきまで転がってこなかったのに、どうしていきなり……?



浮かんだ予想に、顔をしかめる。


小石や砂が奥底に落ち、恐る恐る目を開けて、視線を上にずらしてみる。



「ま、まさか……」


「パーカーマン、がんば……れっ?」




……そのまさかでした。


師匠が落とし穴に接近した途端、師匠の足元が崩れ出したのだ。