女好きなら、私のこともそろそろ女の子扱いしてくれてもいいじゃん。
まだ、自分より強い女を女とは認めないっていう意味不明で自分勝手な弘也ルールが続行中なの?いい加減、そのルール撤回しろ。
だんだんムカついてきたので、片方の靴を脱いで、弘也の顔面にぶつけた。
「痛っ!」
「手がすべっちった☆」
「嘘つけー!!」
テヘッ、と可愛らしい仕草付きで、お茶目を装ってみた。食い気味に返されたけど。ちょっとはドキッとしてよ。
てか、なんで凛が「ワンモア」ってアンコールしてんの。しないよ。私の「テへ」は貴重なの。目ぇかっぴらいて口角グイーッと極限に上げても、しないから!
「僕の最高に整った顔を傷つけやがって……!」
弘也は、女よりも自分が大好きなんだね。
わかった。うん、よーくわかった。だから、ナルシスト発言やめて。ウザい。
呆れてたら、弘也が仕返しに私の靴を投げ返してきた。
「はい、返してくれてどうも」
「足で取るなよ~。せめて手で取れよ~」
だって、足でキャッチしたら、わざわざ履き直す手間がなくなって楽じゃん。
ズボラとか下品とか言うなよ?これは、効率重視っていうの!



