BAD & BAD【Ⅱ】





そんなの、1ミリも気づかなかったよ。

景品のことで頭がいっぱいだった。


恥ずかしさメーターが、ポンコツになって壊れるくらい恥ずかしい!



乙女らしさ全開にスキップなんかしなきゃよかった。




「ほら、手ぇ出せ」



凛の手が差し伸べられる。


助けてくれるの……?



やばい。私の彼氏かっこよくね?紳士じゃね?好き。


こんなにナチュラルに優しくしてくれる人いる?いや、いない。



全世界の面食い女子に、自慢したい。私の彼氏は絵に描いたようなモテ男ですよー!!、と。



「ありがと、凛」


「ん」



キュンキュンしながら、凛に手を伸ばした。




……もちろん、手はかすりもしませんでした。



「届かねぇな」


「当たり前だ。深さ的に、見りゃわかるだろうが」


「そっちに脚立とかねぇか?」


「ないわボケ」