BAD & BAD【Ⅱ】





やっぱり、綱渡り?


バランス感覚には自信があるけど、泥団子攻撃されながら渡りきるのは難しいだろうな。



他に、何か方法は……。



泥団子をうまく回避しながら、道の途中の凹みを観察する。


溝の幅は、そこまで広くはない。綱の長さからも、距離は大体わかる。



……よし、アレでいこう!




桃太郎が泥団子を投げたと同時に、桃太郎の方に近づいた。



放たれた泥団子を手の甲で弾きながら、体の向きを180度変える。


方向転換して、勢いよく走り出した。



それなりに助走をつけて、道が途切れるギリギリで踏み込み、高くジャンプする。



「よ、っと!」



溝を超えて、反対側の道に華麗に着地。


今のジャンプと着地は、満点評価間違いなし。



凛と弘也と桃太郎に自慢げに微笑んでから、一足先に進んでいった。




このままいけば、私が優勝しちゃうかも!



もし1位でゴールできたら、どんな願いにしようかなぁ。


巨大ケーキを独り占めとか?私をお姫様扱い、とかもいいかも。女装した皆と記念撮影とかでも面白そう。



そう想像しながら、余裕たっぷりにスキップしていた。