BAD & BAD【Ⅱ】





すると、最初の障害とぶつかった。


木材で造られた階段だ。



何の変哲のない階段かと思いきや、段差の間隔がところどころずれている。


上りにくそうな階段だな、おい。造ったの誰だよ。



「おっさき~」



顔を引きつらせていたら、弘也がリズムよく階段を駆けていった。



あっ、しまった。

ハッとして、私も急いで階段を上り始めた。




階段を上りきった先には、底のないドラム缶がいくつも横に並べられていた。


このドラム缶の中を通れってことね。



私は華奢な女の子だから、ドラム缶でできたトンネルをくぐっても狭くなんてないわ。楽勝よ。うふ。


ほふく前進しながら長いトンネルを抜け、少し走ると、私の先を行っていた凛と弘也が立ち止まっていた。



「何してんの?」


「道がないんだよ~」


「え!?」



道が、ない?