すると、最初の障害とぶつかった。
木材で造られた階段だ。
何の変哲のない階段かと思いきや、段差の間隔がところどころずれている。
上りにくそうな階段だな、おい。造ったの誰だよ。
「おっさき~」
顔を引きつらせていたら、弘也がリズムよく階段を駆けていった。
あっ、しまった。
ハッとして、私も急いで階段を上り始めた。
階段を上りきった先には、底のないドラム缶がいくつも横に並べられていた。
このドラム缶の中を通れってことね。
私は華奢な女の子だから、ドラム缶でできたトンネルをくぐっても狭くなんてないわ。楽勝よ。うふ。
ほふく前進しながら長いトンネルを抜け、少し走ると、私の先を行っていた凛と弘也が立ち止まっていた。
「何してんの?」
「道がないんだよ~」
「え!?」
道が、ない?



