BAD & BAD【Ⅱ】





まずは、ただの平坦な道を進んでいく。



早速先頭に出たのは、私と弘也と凛。


凛のやつ、こんな時だけ本気出すとか卑怯だっ。



「幸珀って足速いんだねぇ、知らなかった~」


「喋りながら平然と脇腹殴ろうとするのやめてくれる?」



弘也の拳を軽々と避けて、後ろを確認する。



私達を追っているのは、たかやんと師匠。


剛や下っ端達は、やや出遅れている。



……あれ?桃太郎、どこ行った?

どこにも見当たらない。



「よそ見してると危ねぇぞ、幸珀」


「あっ、ねぇ、凛。桃太郎って足遅いの?」


「いや、そんなことはねぇと思うが」



じゃあ、スタート地点で転んだのかな。



その瞬間、見たかった。

そしたら、めっちゃからかったのに。


惜しいシーンを見逃しちゃったな。