BAD & BAD【Ⅱ】








――そして、今に至る。





悪人更生計画は、表向きでは、

地域の治安を良くするために、と首長が独自で考えたことになっている。


それは、首長に計画を独占されたせいではなく、私達がそうしてほしいと頼んだんだ。




神雷は、どれだけ正義を掲げていても、ヒーローに近しい存在だとしても、あくまで不良。


不良も計画に協力しているとなれば、神雷を支持する一般人が比較的多いとはいえ、世論の批評がどうなるかは容易に想像がつく。



だから、神雷は影の主導者として、計画に協力しているのだ。




そのことを知っているのは、計画の関係者と、神雷は良い子の集まりだよ大作戦に立ち会った野次馬と、神雷の支配が及ぶ地域に配属された警察と、作戦と計画の詳細を風の噂で聞いた一部の者だけ。




そのため首長は、私達に公の場で正式に何かを贈呈することはできないので、剛を通してプチ旅行を授けてくれたんだろう。


首長の粋な計らいで用意してくれた別荘は、剛の自宅とはまた違った、落ち着いた雰囲気のある豪邸で、若干緊張してしまう。