BAD & BAD【Ⅱ】





ノリノリの弘也とは対照的に、師匠は浮かない様子だった。



『泊まり、になるよね?』


『まあ、そうでしょうね』


『楽しみじゃないんですか?』



真修がこてんと首を傾げる。


こういう時、師匠が一番はしゃぎそうなのに。



『……お風呂って、どうなるんだろう』



はい?

お風呂?




『1人で入りたいなぁ』


『師匠は皆でより、1人派でしたか。それなら、時間をずらして1人で入ればいいんじゃないですか』


『幸珀、天才!!』


『知ってます』




師匠の悩みは、いつだって斜め上を行く。


もう慣れたけど。




そういうわけで、たまたまメンバー全員の予定が空いていたので、全員で別荘にお泊りすることになった。


全員が泊まっても余るくらい、別荘は広いらしい。



なんだか合宿みたいだ。




別荘のある隣町までの移動手段は、もちろんバイク。


私と師匠はバイクを運転できないので、私は凛の、師匠はたかやんの後ろに乗せてもらった。