ここは…夢なのかな。

周り一帯が、真っ白な世界。

そこにふわっと冬華さんが降りて来た。

「…桃花ちゃん。ありがとう。叶ちゃんを幸せにしてくれて!これでよかった…!」

「冬華…さん…。ダメです。私…幸せにできてない…喧嘩しちゃったし…!もう…ダメです…!」

絶対…冬華さんの方が幸せにできるよ。

ああ、叶翔くんごめんなさい。

こんなのが、あなたの最愛の人の生まれ変わりでごめんなさい…!

そう思うと泣きそうになる。

申し訳ない。

本当にただそれだけの気持ちで…いっぱいです。

「〝もうダメ〟なの?1回でもぶつかり合って、ダメだったら、おしまいなの?あなたの叶ちゃんへの気持ちはその程度なの??」

何気なく、冬華さんが、キレている…ようにも見える。

「叶ちゃんを幸せにできるのは…桃花ちゃんだけなんだよ!大丈夫だよ。2人が結ばれるのは〝運命〟だから。私と違う。幸せな運命なんだよ。だから…頑張って!」

私と違う、それはきっと…前世のことを言っているんだよね。

あのあがいてもダメだった。

あの〝運命〟。

「はい…っ!」

喝を入れられて…よかったのかもしれない。