優馬君の大きい手は私の頬に流れる涙を拭う。
冷たいはずのその手は何故か温かく感じた。


もうすぐ消えてしまうと思うと、胸が苦しくて苦しくて仕方無い。


「でもね、それでも俺は君に出逢えて、君を好きになれて、恋をして、幸せだったんだよ?こんな俺でも死んでからも未練になるほど、好きな子の事を想えた自分を誇りに思ってる。」


「優馬君っ…私…私も幸せだよっ…。」


「ありがとう、凄く嬉しい。あ、ほら、自分でいうのもあれだけど、モテた俺が君だけに惹かれたんだよ?」


優馬君が自分で自分をモテたって言ったものだから、なんだか可笑しくて、こんな状況なのに笑ってしまう。


「ふふ、自分でモテたって…。」


「あ、やっと笑ってくれた。雪姫は笑顔の方が可愛いよ。」


「えっ…!」


やっぱり優馬君が言う可愛いという言葉はすごい。


まるで魔法みたいに私の心を高鳴らせ、顔を赤くさせる。