午前12時過ぎ。


朝、雪姫ちゃんが図書室を出て行ってから、特に何もする事なく、窓近くの机の上に座って、ぼーっと空を眺めていた。


あ、そろそろ雪姫ちゃんが来る頃だ。


俺は反対側の窓に移動して下を見てみると、目をうたがった。


心が苦しくなった。今日は見なければよかったと後悔した。


だって、雪姫ちゃんが知らない男に抱き留められていたから。そして雪姫ちゃんと目が合い、俺はすぐに隠れた。


見た瞬間、俺の心にはどす黒い嫉妬心が沸き上がってきた。


俺が一番雪姫ちゃんを知ってるのに。
雪姫ちゃんの隣に居ていいのは俺だけなのに。
あそこには俺が居るはずだったのに。
雪姫ちゃんを守るのは俺なのに。


「俺、なんで死んでんの━━━…。」


そんな思いが沸き上がると、半分透けている足元が黒く変わって驚く。


けど、すぐに分かった。
たぶんこれは、悪霊の気配と同じ。
嫉妬心やあの男を羨む気持ちが悪霊化させた。